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2009年02月26日

未来

明日が見えなかった。
今日を生きるだけで
夢も希望もなく
むなしい時間が転がっていた。

明日の向こう側に
小さな花が咲いている。
未来が追い育つ。
想像力が復活する。
未来を思い描くという
なんという才能。
一歩一歩歩んできた
その痕跡を残し
歩き続ける。
想像力を力の源として。

posted by 野々花 at 16:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月25日

過渡期

いつ帰るともわからぬ夫を待ち
私はひとりパソコンの前に座る。
少しずつ社会への関心を取り戻し
ニュースに見入る自分を見つける。
私もまた「行ってきます」をいえるよう
いつ叶うとも知れぬ思いをかみしめる。
遮断された交流。
遠ざかる世界。
私はまだ捨てていない。
これは一過性の孤立なのだ。
過渡期をしのぶ。
その今
未来への一条の光が
かすかに見える。
もう少し
もう少しだ。
扉は開かれる。
この忍耐の後にきっと。

posted by 野々花 at 19:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月24日

雪明り

私たちふたりきり。
夕暮れの雪を見てそう思った。
夫とふたりきり。
同じレールに乗ってゆくのだと思った。
寂しいのではなく
薄明るいこの中を歩いてゆくのだと
ふと覚悟した。
細いレール。
どこまでも続くと
かすかに信じられそうな
雪明りの灯火。
いつか解けてなくなる
青白い雪原。
このレールはなくならないと信じ―

posted by 野々花 at 17:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月23日

大声で叫ぶ

私は恵まれている、恵まれているのだと言い聞かせ
自らを抑圧して生きていることに気がつく。
住む家があり、理解ある良き夫や両親がいる。
けれど
本当は社会に繰り出して活躍したい
せめて人と交流をしたい。
今の病状では、叶わぬ夢だ。
外を自由に歩きたい。旅行もしたい。
けど無理だ。
できる範囲で幸せを見つける。
わかっている。
どんな境遇にあっても、幸せは自分でみつけるものだ。
けれど抑えられている欲求のとてつもない大きさを
見過ごしてはいけない。
病気であっても、どんな境遇であっても
ストレスは、不満は、小さいうちに吐き出すのだ。

大声で叫ぶ。

元気になりたい。
自由になりたい。
この生活を抜け出して、世界を闊歩したいよ―

posted by 野々花 at 09:41 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月22日

人との交流

理にかなって作動する物体と違い
人間は実に豊かに動く。
いつなんどき言葉を発するかわからず
どれだけ、どんな挙動をするかわからず
笑うかもしれず、悲鳴をあげるかもしれず
予測は不可能だ。
ひとりの人間の発する情報の多さに驚けば
複数とコミュニケーションすることの何という難しさよ。
フィルターを持たない私の脳は、情報の洪水に押し流される。

人間は難しい。
ランダムな、予測不可能な、未知な存在。
統合失調症になってはじめてのことだが
情報発信体である人間がうごめく世界を
今私は見ている。

posted by 野々花 at 11:03 | Comment(3) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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空を飛びたい

どのくらい人と交流していなかったろう。
復調して久々に街で外食をした。
だがやはり病気なのだ。
それを思い知らされた。
一度に多くの刺激がランダムに飛び交う。
声、光、動き・・・
追いようもないほど多くの刺激を
おそらくすべて捕らえようとしてしまうのだろう。
混乱し自分が自分でないような離人感を覚えた。
情報をフィルターにかけて摂取できないのだ。
離人感。
心と体が遊離したようで、自分がどこにあるかわからなくなる
不思議な症状だ。

行動範囲の制限をひしひしと感じる。
普段いかに抑圧のもとで療養生活を送っているかを思う。 
この生活はいつまで続くのだろう。出口はあるのだろうか。
空を飛びたい。
どこへでも制約なく行き、いろいろな人に会いたい。

posted by 野々花 at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月19日

宝石になる

宝石はあとになってできるものだと気がついた。
光の只中にいてはわからず
後になってあれは宝石だったのだと分かる。
思い出は
時間とともに色を変えて
それの持つ意味もまた変化する。

今新たな思い出をつくっている。
きっとこれも宝石になる。
人生のなんどきも塵ではないのかもしれない。
ふと思い出される些細な過去の日常は
人間にとってどんな意味をもつのだろう。

人は年をとると思い出の中に生きるという。
何故だろう。
記憶となった過去の出来事が押し寄せてくるのだ。
まだ未来ということばが似つかわしい年齢だのに。

posted by 野々花 at 14:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月18日

宝石

過去が宝石のように押し寄せてくる。
二十歳のころの自分があった。
結婚を約束した人がいた。
その人に会うことは生涯ないと思うが
心のうちで伝えたい。

二人がうまくいかなくなった頃
私はよく不安を訴えていましたね。
寂しくて、体がだるくて。
それを甘えだとあなたは言った。
けれど
あれから十年経って、分かったのです。
あの頃、私は統合失調症という病気を発症していた。
そんなことは知る由もなく
私たちの関係は崩壊してゆきましたね。
けれど
病気だったのです。
今のあなたに言ってもしかたがないけれど
あの頃すでに病魔が私を蝕んでいたのです。
運命ですね。
あなたと離れても思い出は宝石。
あんまりきらきらして
胸が痛いです。
今私は幸せです。
けれど宝石は一生輝きを失うことはありません。
胸が痛いです。

posted by 野々花 at 14:15 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月16日

残った絆

この頃、過去を振り返って運命を嘆くことがある。
統合失調症を発症した20代前半、
私はたくさんのものを傷つけた。
狂気の刃は周囲の人を刺し自分をも刺した。
今思えば、数々の宝石を手にしていたあの頃
私はそれらを粉々にした。
病気が私を蝕んだ。
そして黒い運命をたどってきた。
けれど
幾人かの人々が許し、今そばにいてくれる。
傷つけたものたちを思うと胸が痛くなるばかり。
だからせめて許してくれた者たちを思い、絆を守ろうと思う。
そうせずには居られない。
残った絆―

posted by 野々花 at 07:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月15日

ひきこもり

まだ閉じこもっている。
単独で家からどこまで外へ出られるか。
外への強い意志がなければ出ることは難しい。
たとえば
新聞をめくることがしんどい。
字を追うことよりも社会的関心が持てないのだ。
これはただ億劫なだけじゃない。
身体だけでなく心が外へ向いていないのだ。
大分解放されたてなお
私は目に見えない鎖につながれている。

統合失調症患者の家族が引きこもりの状態を見守るとき
心と身体の両方が外へ向いてゆくのを待たなければならない。
時間をかけて、患者の意志の解放を待たなければならない。
焦らずに。

posted by 野々花 at 15:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月13日

夢が始動している

研究者というひとつの夢の終わり。
病気の悪化で将来の夢などありはしなかった。
今日を生きるだけで明日がみえなかった。
年金生活ほど希望のない人生はないといえば
今このご時勢にしかられるだろうか。
今、夢が始動している。
こつこつと努力した先に見える目標。
翻訳者になること。
まるで山を登るようだ。
一段一段、五年の傾斜は上るごとにきつくなる。
それでも
積み重ねてきた何かがいつか目に見える形になるのがわかる。
そうだ、
私には翻訳がある。
言語研究者として生き、その表現形が翻訳なのだ。
私は私の道を行く。
みずから切り開いた道を。

posted by 野々花 at 13:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月10日

治癒を待つ

めまぐるしく動いてゆく社会の中で
ゆったり心身を休ませるのは容易ではない。
周りが熾烈な競争をしている。
生きるために。生き残るために。
私は療養を欲している。
だがこれも生きるために。
世の中が皆、狂ったように生き残り戦争をしている。
私は生き残れるのか?
分からない。
だが癒えるのを待つという、行為。
できるのはそれだけ。
ときどき世間をみては焦る。
だが今
耳を澄ますのだ。
そこには神秘にも似た静寂がある。  
音もなく
ただ時間性のなかで育ってゆく
新しい細胞たちの誕生がある。

posted by 野々花 at 07:34 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月09日

相関

統合失調症の身体合併症にアトピー性皮膚炎とある。
これは私の主治医が書いた診断書である。
短期記憶が著しく低下し、だるい。
アトピーが激しい。
いつも二つの病気には相関があると感じていた。
あるときは、数ヶ月ごとにアトピーと統合失調症の症状が
代わる代わる交互に現れた。
統合失調症のひどいときにはアトピーはきれいに消え
その逆もまたしかり。
これは何だろう。
アトピーもストレスが引き金になるというが
今回の落ち込みは何が引き金になったのか
両方の症状を呈している。
ほかにもそんな患者がいるだろうか。
ぜひ話を聞いてみたい。

不調のときは、ただ時が解決してくれるのを待つばかり。
待つのは得意だ。
治癒を待つ。
偉大なる自然の力に身を任せている。

posted by 野々花 at 10:48 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月07日

人間の自然

四季はめぐり、生き物は皆循環している。
人間もまた周期性の中で生きる。
女性はそれをよく認識しているだろう。
慢性の病気にも波がある。
きっかけは何であろう。
安定していたものががくんと落ちる。
落ちている時期は安静しかない。
きっかけは何であろう。
耐えているうちに不意に調子が戻る。
そして生き生きと飛び回る。
季節、体内時計、年齢・・
人間は自然の周期のなかで息づいているのだと
病気になって思い知る。
この頃はだるい。けれど
医学にばかり救いを求めることはしない。
今は自然の摂理に従い、復調を待っている。

posted by 野々花 at 17:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月06日

主治医

ショッキングだ。
主治医が3月いっぱいで転勤になるという。
精神疾患をもつ患者にとってこれは一大事だ。
長い間担当してくれた良き医師であった。
相性といおうか、互いの性質をよく理解し
ともに闘病してくれた人だった。
年齢もそれほど離れておらず
医師もまた私とともに成長していった。それが見えた。
かつては同時期に博士論文の提出期限が迫り
ふたり学位の話などまでしていた。
そんな主治医が転勤してしまう。
築いた信頼は大きい。
4月からはまた新しい先生とのやり直しだ。
少し不安である。
だが人はずっと一緒ということはない。
いつかは離れていくものだ。
今回も一期一会。
さよならだ。

posted by 野々花 at 13:17 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月05日

結婚の愛

私は20代に二度、大きな恋愛をした。
愛している。何度も言ったことば。
20代の恋愛は宝物。きらきらして宝石のよう。
生涯忘れえぬ思い出である。
けれど夫に言う愛しているのことばは少し意味合いが違う。
愛するということの意味を私は結婚によって学んだ。
好き嫌いではなく、自分に誓った。
あなたの人生に対して責任を負うということ。
誠実にあなたを守りぬくということ。
それは覚悟であり、力であり、すべてだ。
愛している―
夫のストライクが私を支えている。逆もまたしかり。
一個の人間の人生を左右していることをいつも忘れず
互いの幸福を願う。
それが本来の結婚の姿であるように思う。

posted by 野々花 at 13:24 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月04日

何度でも

苦しみの夜明けに太陽が昇る。
新しい太陽は苦しみの度に何度でも昇る。
シシュフォスのように繰り返す営みのうちに命を確認し
それでも朝がくることを信じて疑わない。
シシュフォスは煉獄で待ちわびていただろうか。
いつの日か釈放され、日の目を浴びる日を。
それでなくとも
前へ進まなくてはならない。
暗闇であっても進まねばならない。
また朝日を探している。
何度でも繰り返し、日が昇るのを待ち―

posted by 野々花 at 10:26 | Comment(3) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月03日

翻訳

ことばは一つの系である。
日本語という系。
英語という系。
ドイツ語という系。
ひとつの系から別な系へとことばを移すこと。
これを翻訳という。
内容が理解できなくとも系の移行は可能である。
テクストの要素と要素の関係をとらえ
共起する語の配列に傾向を見出す。
意味の領域には踏み込まない。
言語研究の集大成ともいうべき身につけた技術。
この翻訳理論をもって日々ライフワークとする。
コンピュータは私にまだ追いつかない。
移し取るということ。
それは世界と世界の架橋の作業である。

posted by 野々花 at 13:15 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月02日

人生の先に

人は結局、積み上げてきた人生の先に生きるのだ。
もう一度やり直す、新しい人生を生きるなど、うそだ。
人間の細胞は、死んでは生まれ、死んでは生まれ
常に入れ替わり続けるが
赤ん坊の自分と現在の自分が同一の人物であるのは明白だ。
脳に蓄積された記憶の集積。
身につけた力はそうそう消えない。

病気のためにすべてを諦めなければならないと泣いた。
けれどその先に今、自分の道が見えている。
蓄積の産物が私を待っていてくれた。
天職だと思える仕事。
家事を効率化してその時間を作る。
病気と付き合いながらの作業だ。
勤めには出られない。けれど
制約の中でできる何かを私は持っている。

人はどんなハンディを持っていても
条件にあった生き方を見つけられるものだ。
そう実感している。

posted by 野々花 at 14:48 | Comment(6) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年02月01日

過去からの解放

やっと自由になった。
30歳まで学問をやっていた自分から。
今も名刺には大学の専門研究員を名乗っているが
学問の世界から足を洗って一社会人として巣立った。
いつまでも研究室にいてはだめだ。
風当たりの強い本物の社会の厳しさを知らなければ。
社会人を二年やって、やっと慣れた。
そして街中で赤ん坊を抱いたお母さんをみて
胸が痛まなくなった。
私は子供を望んでいない。そう思った。
諦めたたくさんのものから自由になった。
自分を肯定している。
やりたいこともある。
私は今、明朗で健全な精神を謳歌している。

posted by 野々花 at 14:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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