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2009年04月30日

何をみつけたの

結局、私は何を見つけたんだ。
からっぽになった私という人間を埋めようと
毎日努力している。
園芸を始めた。
フランス刺繍をやってみた。
どちらも面白い。
特に園芸は私の生き方に多少なりとも影響を及ぼした。
だが
本当に心の空白は埋まったのか。
全身全霊を傾けられる何かがみつかったか。
何が噴出してくる?
私という魂から。
わかっているんだ。
一度にたくさんはみつからない。
今日も「さびしい」と言ってしまった。
ごめんね、あなた。
少しずつ「自分」を見つけてゆくから。

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裁判員制度

『暗黒街の二人』というフランス映画がある。
1970年代の映画だったと思う。
銀行強盗の罪で服役し、出所した男。
その男の社会復帰の道を見守る保護監察官。
この二人を軸に、フランス社会における元犯罪者の受け入れのあり方が描かれる。
偏見に満ちた社会の風当たりは強い。
誠実な働きぶりを評価されない主人公を 
疑り深い刑事が執拗に付回す。
二人でこの町を出て行きましょう、
そしてやり直すの、
あなたにそっくりな子供がほしいわ、と恋人が言った矢先
再び銀行強盗が発生。
主人公を疑う刑事をついに殴り殺してしまう。
彼の死刑執行。
その場面を私は今も忘れられない。
死刑制度を問うこの社会派の映画。
観てから三日間、ショックで誰にも話すことができなかった。

もうすぐ始まる裁判員制度。
そもそも人は人を裁けるのか。
自分がもし裁判員になったらと思うと
足がすくむ思いだ。

posted by 野々花 at 12:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月29日

脳が衰えないために

統合失調症は昔、
早発性痴呆と言われていたことがある。
ことばもなく家に一人長い時間いると
ときどき自分がだんだん馬鹿になってゆく錯覚に陥る。
ひょっとして「痴呆」なんじゃないかと思ってしまうのだ。

たくさん勉強して知識を得た時代があった。
博士号までたどり着いた、それだけのエネルギーがあった。
しかし今、
病身の私は社会への関心すら持てない。
貪欲な知識欲が研究業績へ結びついたあの頃とは違う。
今はもう研究者と呼べる力はない。
それが悲しい。
ものすごく、涙あふれんばかりに悲しい。
ただ、
広汎な知見はもてなくとも
自分の専門に特化したごく狭い領域だけは確保しようと思う。
自分にしかできないものを大事にして
自らを研ぎ澄ますより他にない。

脳は使わなければ衰える。
そして絶えず訓練を求められている。
だから
かつて鋭利な刃物のようだった脳のどこかを
今日も磨こう。
それがほんの小さな刃物であってもいいから。

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2009年04月28日

土に触れる

うちに庭と畑がある。
イチゴが植わり、枝豆が双葉を付けている。
雪がふった数日前、せっかく出てきた芽が死なないよう
霙の中、私は彼らにビニールをかけた。

みづから植えた植物に責任感を感じている。
長靴を履き、泥まみれになって土を掘り植えた命。
土か、大地か、日光か、
どこからか大きな力が私を包みこむ。

病気になって初めて土いじりをした。
リハビリの一環だった。
そして形なき自然の力をこの肌で感じている。
それが素晴らしいのだ。
癒される、そんなものじゃない。
まるで自分が太い根っこになったような
パワーを会得するのだ。
人間の原点に触れているような気持ち。

生きている実感のもてないときは
黙々と土に向かうといい。
土が言葉なき言葉で
命の講義をしてくれるから。

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2009年04月27日

光と影

草なぎくんの報道が頭の片隅について離れない。
特別ファンだったわけでもないのにもかかわらず
なぜかショックが尾を引いている。
人がある日突然「容疑者」に変貌する。
それが怖かったのかもしれない。

何をしでかしたかと思いきや、加熱報道にもほどがある。
だが草なぎくんの会見の一問一答や彼の表情には
誠実さと聡明さが一見して見て取れた。
こんな人だったのか。
大して知りもしなかった私が
この一件を機に彼を評価することとなった。

マスコミはいつも狡猾で下劣だ。
人の栄光と転落劇を巧妙にあぶり出し
その人生の落差をもてあそぶ。
メディアの失墜こそ、暴かれるべきなのに。

ともあれ

人が何かをきっかけにある日突然運命を分かつこと。
表だったものが突然裏にひるがえること。
それは日常のどこにでもある風景であり
人生の怖さでもある。
人はいつも光と影をあわせ持って生きている。
そんなことに気がつきもせず。

posted by 野々花 at 11:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月26日

はっきりと見える

やっと華の30代を生きている気がするのです。
擦り傷だらけだった20代を越えて
築いたその土台の上に我が人生を謳歌しています。
病気も、障害も、
嘆きの壁であることに変わりありません。
ただ、
愛情に恵まれている自らの姿が
この上もなくはっきりと見えるのです。
私は自分を大事にして生きなければならない。
愛情を注いでくれる人々のために
大事に生きる責任がある。
本来は皆一人ひとりがそうであると
感じられるといいね。

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2009年04月25日

土曜の午後

土曜の午後
真の幸福を手にした女の
満ち足りた身体が横たわる
モナリザのように
柔らかな笑みをたたえる
あなたに包まれるという
極上の時間
ねえ、あなた
夫婦は特別ね
こんなにも神秘的な愛がどこにあるだろう
ねえ、あなた
自分が限りなく愛おしく思えるよ
いつくしむという言葉が
きっと一番よく似合う
何度も心の中でささやくよ
「ありがとう」

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虚構と現実と

庭にジャガイモを植えた。
土を掘り、汗をかき、ジャガイモと肥料を植えつける。
風が気持よく、ちょっとした感動を味わった。
すがすがしい気持ち。
さっきまでの幻聴の苦しさを忘れた。
頭の中で声がする不調の日は
ひたすら寝るのもよし。
自然の中で癒されるのもよし。
声にとらわれないよう外へ意識を持ってゆくのだ。
存在すると客観的に確かめられるものと触れ合う努力をする。
幻覚を持つものが虚構と現実を見極めるちょっとしたコツだ。
怖くなんかない。

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2009年04月24日

このブログ

このブログをはじめたとき
過去よりも未来を臨む、と宣言した。
過去を消化しなければ明日へは進めない。
その作業が少しずつ出来始めている。
病名告知のショック。
病気との闘いの中でたくさんのものを捨て
新しい価値観をもって生きなくてはならないこと。
その葛藤の遍歴を
2008年8月に開設したこのブログに綴ってきた。
長い闘病生活のごく一部である闘いの跡。
このブログは葛藤の軌跡といってもいい。
同じ病気を抱えた患者やその家族の一助になればと思う。
そして今日もブログを書こう。
私はもう歩き始めている。

posted by 野々花 at 09:59 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月22日

いい顔をしている

いい顔をしている。
病気とは思えない意志のある顔つき。
翻訳に向かうときの私だ。
脳を振り絞って考え、訳文を整える。
しんどい作業であることは間違いないが
生き生きできるのだ。
自らの能力を発揮するということ。
こんなすばらしいことはない。
ちょっとした作業でいい。
ほんの少しだけ人の役に立てればいい。
自分の表出欲はそれで満たされるから
好きな翻訳を続けたい。

posted by 野々花 at 17:35 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月20日

地面に足をつけて

プランターに花を植えた。
ベランダの階段に置いた。
春のうららかな光。
マイホームが豊かになる。
チューリップに水をやり
直射日光にめまいを覚え
土のにおいをかぎながら
生きていると感じ入る。
今日は晴天。
硬い大地で強く育つ植物のように
倒れることなくすっくと立とう。
土を掘る。苗を植える。
前にも後ろにも進まない。
地面に足をつけて
どっしりここにいるがいい。

posted by 野々花 at 12:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月17日

抗わず

前に進もうとするのをやめたんだ。
抗えば抗うほど抵抗の大きさに気づくから。
絶対的不安の中
そこに安住してみる。
かつてない生き様。
腐ってゆくのではないかと思うほど
人生が空白にみえる。
強く強く抗って生きてきた私に
そんなに頑張らなくていいんだよと諭してくれたのは夫。
「このままでいい」
いつかまた
自分を変えようと腰を上げるときがくるだろう。
そのときを待つ。
抗わず―

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2009年04月16日

それっていつ?

徐々に良くなりますからね。
新しい主治医が言った。
半年、一年経ったときに
以前より良くなったと思えますから、と。
毎日、毎日やり過ごしている。
長い忍耐の時間。
どうしても問うてしまうときがある。
良くなるって、いつ?
だれか答えて。
だれか前進なんて言葉を排して。
このままで幸せと感じなければ生きていけないよ。

posted by 野々花 at 17:41 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月14日

両親の慈愛

ベランダに広がる庭と畑。
統合失調症の告知を受けてまもなく
私の生活を豊かにするべく両親が与えてくれた環境だ。
作物を植える。
花壇を作る。
仕事でもなく学問でもない
別な価値観で生きなければならなくなったとき
畑や庭でもやって過ごしなさいと
皆が配慮してくれたのだ。
その広々とした敷地にチューリップを植えた。
クロッカスも、バラも、名も知らぬかわいらしい花も。
花を選ぶことも自分で好きに植えることもなぜかできない。
園芸店にいけば混乱し、自分の意志はどこかへと消える。
どこへ何を植えてよいのかひとりでは何も決められない。
それでも小さな花壇が出来上がった。
ベランダに座って今日も
私は花たちを見つめている。
両親がとどめなく注いでくれる慈愛を
じっと見つめている。

posted by 野々花 at 15:14 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月13日

自然よ

足がすくむ。
一歩外へ踏み出したとたん
得体の知れぬ恐怖に襲われる。
これは何だろう。
この動揺は。
私には具体的な恐怖の対象がみえぬ。
自らの脳が作り出す漠とした不安。
外界は無意識のうちに恐怖の場と化す。
外はこんなに明るいのに
かわいげな花も咲いているのに
なんとも悲しき性よ。
私は怖いのだ。
脳の敵はだれぞ。
こんな病にしたのはだれぞ。
それでも花を植えに
私は土の上を歩く。
乾いた土の上を恐る恐る歩く。
自然に慰められたき一病人。
どうか慰みをくれ給え。
この逆説的なわたくしに。

posted by 野々花 at 13:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月12日

困難

自分の病気のために誰かが苦しむのをみるのが嫌いです。
自分の障害のために誰かが悩むのをみるのがつらいです。
なるべく迷惑をかけずに生きているつもりでも
周りはみな最大限の支援をしてくれる。
そのストレスはいかほどのものでしょう。
私にはいかんともしがたい。
ときにこぼれる周囲のストレスをみると
心がもっとも痛みます。
夫が寄り添ってくれます。
両親が手を差し伸べてくれます。
そこでやっと生きている自らの姿を思うと
やりきれない思いがあふれてくるのです。
忍耐。
障害というゴールのない忍耐。
唯一
夫の愛情と両親の支えが
私をかろうじて幸せへ導いてくれています。
しかし思えば
忍耐の生活は私に限ったことではありません。
誰もが現実に妥協して忍んで生活している。
私もまた、誰かに手を差し伸べて生きていると思うから
幸せを与えられていると思うから
そこに自分の存在意義が見出せます。
そこに私の価値がみえます。
生きるという
流れに抗い
流れにまかせる
この困難を
乗り切れる気がするのです。

posted by 野々花 at 15:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月10日

皆一人ひとり

過去がまた押し寄せる。
些細な出来事が自然と思い出される。
今あの人はどうしているだろう。
そんな過去の遺物が頭を駆け巡る。
走馬灯のように次々と押し寄せる。
まるで死を前にした人間のように。
今あの人はどうしているだろう。
皆はじめは一緒だった人生。
分岐点はいくつもあった。
そうしてそれぞれの運命をたどる。
それがなぜか悲しくて
彼らと私の運命の行く末を想像して
どきどきしているんだ。
皆一人ひとり。
そんな当たり前のことにどきどきしている。

posted by 野々花 at 18:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月09日

4月

4月に入り主治医が変わった。
月一度の診療でどれだけ信頼関係が築けるのか
不安でたまらない。
「家事はどのくらいできますか」の質問にうまく答えられなかった。
たったそれだけのことがずっと頭を悩ませる。
前の主治医が長かったせいか
医師との関係がいかに大切かを思い知らされる。
限られた時間内に医師に確実な情報を提供すること。
そのために私は毎日Excelで症状記録を残している。
「家事はどのくらいできますか。」
この次の診療できちんと言えるよう、文言を考える。
7割程度。近くに住む両親が援助してくれる、など・・・
4月は新たな始まりの月。
環境の変化とともに不安がつのる。

posted by 野々花 at 08:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月06日

手芸

フランス刺繍を始めた。
ひとりで出来る作業療法だ。
チャコペーパーを使って自ら図案を作成し
色の濃淡をつけながら好きなように縫ってゆく。
細かい作業だけど、これがとても面白い。
趣味が一つ出来た。
第一作目がこれです。

DSCN2148

日中の時間つぶしにも良いしお勧めです。
皆さんも一度試してはいかが。

posted by 野々花 at 20:07 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年04月05日

抗って生きる

何に追い詰められているのかわからない。
ただ胸がつまる。
抑圧された気持ちが押し出ようとしている。
ただ強く前へ進めばよいのに
この気持ち、精一杯こらえている。
口にしたくない。
何を苦しんでいるのか。
知りたくない。
何を欲しているのか。
ただ胸がつまる。
生きてゆくことが
こんなにも必死に抗うことであり
抗い、強く前へ進むことなのだ。
それが少し悲しいだけだ。
太陽はこんなにも明るいのに。

posted by 野々花 at 14:08 | Comment(1) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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