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2009年05月31日

幻聴

幻聴は離人体験に似ている。
頭の中で音声を伴って発話する自己がいる。
その声は次第に自律性を帯び
自己から遊離してゆく。
まるで誰かが頭の中で発話しているかのように。
自己が徐々に他者になること。
それが離人体験と共通する過程。
対話する声も、叫び声もすべて想像の産物。
ただし、想像が加速し、とめられなくなる。
それが空想と幻聴の違いです。

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新しい主治医

主治医が変わって間もない。
先日も診察があったが
意思疎通が上手くいかない不安がつのる。
「最近声はあまり聞こえないんですね」
そう聞かれた。
「はい」
幻聴をなくすために私が日々どのような努力をしているか
そのためにどれだけのストレスを抱えているか
それは伝えられなかった。

声が聞こえないために、何をしているか。
閑静な住宅街にあるこの家と庭と畑を
自分の行動の範囲内と決めて生活していること。
夫と二人で街中を歩いたり
人混みに行きたくても我慢していること。
ほとんどすべての交友関係を絶ち
心身に刺激を与えることをせず
ひっそり安静に暮らしていること。
ストレスがたまる。
しかし
調子を崩さないためにどれだけ徹底した自己管理をしているか
そしてどれだけのストレスを負っているか
私は伝えることができなかった。
伝わっていないことがものすごくはがゆい。

医師との意思疎通はひと月に一度の診療ではだめだ。
新しい医師との5分診療ではだめなんだ。

posted by 野々花 at 06:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月30日

友人からの便り

古い友人から便りが来た。
研究で北海道にやってくるという。
大学院生のとき以来だ。
私たちはキャリアだった。途中までは。
同時期にヨーロッパに留学し、
ミュンヘンでともに年越しをした思い出がある。
そんな彼女は大学院博士課程からひとり東大へ移った。
その後の彼女の活躍は詳細を知らないが
今回の来道も「科学研究費」で来るという。
どれだけ出世したのだろう。
彼女に会いたい気持ちと
時が止まったような私の生活をふりかえると
複雑な気持ちが入り交ざる。
研究者を辞めて家庭に入った私。

今、何を積み上げているの。
彼女に何を報告できるの。

比べるものじゃないけれど
自分の空洞の時代が浮かび上がる。
人それぞれ。
そう言いたいけど割り切れない。
堂々としていればいいのに。
私は主婦として毎日働いているのだから。

でも人には限界があるね。
この病気は人に大きな限界を作るね。
人生の限界までもが見えるほどに―

posted by 野々花 at 07:02 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月29日

離人感3

また離人感だ。
辛いわけじゃない。
ただすべてが他人事のようで
美しく晴れた空も景色も皆
私とは別世界の出来事。
そして私という一点がどこかへ遊離していく。
目の前にあるすべてが触ることのできないもののようで
触ろうとする手さえ誰のものかわからない。
私の不在―
身体と精神があるのではない。
それらが皆、第三者に成り代わるのだ。

ガラスの向こうへ帰りたい。
生きている生身の人間に戻りたい。

posted by 野々花 at 15:19 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月28日

頭のザワザワ2

頭がザワザワするときは
外の風に当たるといい。
びゅうびゅうと吹く風音は
頭の音をかき消すよ。

頭がザワザワするときは
水の音を聞くといい。
じょうろで水を汲む音は
頭の音より激しいよ。

家の中にこもっていたら
頭に注意が向けられる。
自然の中へ少し出て
外の音に耳澄ませ。

自然の音を聴けばほら
偉大な音で満ちている。

内側が辛いから、あえて外を見るんだ。

posted by 野々花 at 16:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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受診の準備

通院日の前日。
私は5分診療のために周到な準備を行う。
ひと月分の症状記録、夫の見解、
そして前回上手く言えなかった「離人感」の意味を
自分のことばで表現するのにこのブログの記事を抜粋する。
医師はこのデータを丁寧にカルテに貼り付ける。
主治医が変わってまもないが
これだけ準備をすれば怖いものなしだ。

診察はできるだけ客観的なことばでやり取りをする。
「医師に伝わることば」で症状を語る。
「不安」、「億劫」、「意欲がない」、「声が聞こえる」etc.
そしていつ、どの程度、どんな症状が続いたか。
頓服薬を使用してどう変化したか。
症状記録が物をいう。
5分診療の間でどれだけ精確に医師に伝えられるかは
こうした事前の準備にかかっていると思う。

posted by 野々花 at 12:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月27日

口にすること

人は本当に孤独なとき、それを言えないものだ。
ずっと言えなかった私は今
何年もの歳月を経て口に出すことができる。

独りぼっちだった。
どうしようもなく寂しかった。

どん底の孤独は私を強くした。
誰かが孤独の真ん中で震えているとき
今なら手を差し伸べることができる。
助けられて生きた私が誰かを支えることができる。
どうして人はこんなに強く変わることができるのだろう。
人間の弱さを知り尽くしたあとに
どれだけ人は優しくなれるだろう。

どうか言えなくなる前に
あなたが寂しいと言えますように―

posted by 野々花 at 16:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月26日

二つの不安

不安にはふたつの種類がある。
心配に近い不安。
恐怖に近い不安。
前者は感情、後者は感覚のレベルで起こると私は考える。
心もとなく、わらにもすがりたい寂しさは涙をも誘い、
慟哭せんばかりのその感情の動きは筆舌につくしがたい。
他方、典型的な統合失調症の症状を呈する昨今は
感情のぶれはなく、むしろ目に見えぬ何者かに対する
「恐怖」に近い不安を感じている。
不穏とでも言おうか。
おそらくは自らが幻に作り出している漠然とした対象に
抱く脅威の感覚である。

元来、不安は人間が外敵から身を守る本能的感覚であった。
不安があらぬ方向へ疾走してゆくこと。
それがこの精神疾患の特徴のように感じられる。

posted by 野々花 at 16:26 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月25日

空っぽの心を埋める

これだけのエネルギーを使うものか。
我が家の畑に野菜の苗を定植した。
支柱を立て、ビニールをかけて暴風対策。
資材にもお金が飛んでゆく。
物事はやらなきゃわからない。
見てる、知ってるだけじゃわからない。
白昼の午後、太陽の光にめまいを覚えながら
けだるい疲れに心地よい安堵を覚える。

まだ感じてる。
想像の共同体を。
今は寂しくはない。
そして寂しくはない現実をみて思う。
寂しいということがどれだけ深刻な問題であったか。
私の心の中にいつまた寂しさがこみ上げてくるかと
本当はおびえているのだと。

農作業をする新しい自分を見つけた。
無我になり寂しさの重みなど忘れられる。
こうして空っぽになった心を少しずつ
新しい世界で埋めてゆくんだ。

posted by 野々花 at 15:28 | Comment(7) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月24日

想像の共同体

急な仕事が入ったらしい。
休日も終わる頃、夫があわただしく出勤する。
夕暮れ時、私はひとり家に残される。
それでもあまり動揺することなく
「行ってらっしゃい」
が言える自分がいる。
日中農作業をした心地よい疲労感が
不安や寂しさを生み出さないのだろう。
人はきっと心身が充足しているとき
ひとりでも孤独ではないのかもしれない。
出勤しても彼は同じ街にいるし
必ず帰ってくるし、
近所の人たちもいる。
家族、町内、街・・・

想像の共同体を思い浮かべることができるのだ。

皆つながっていると自然と感じられる。
だから今は寂しくない。
今も明日も、そうでありたい。
そういう人の緩やかなつながりをいつも感じていたい。

posted by 野々花 at 17:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月23日

命キラキラ

今年初の収穫。
生まれて初めて知った喜び。
生きている感じがする。
みずみずしく
命が光っている。

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朝摘みのいちごとパセリ( 我が家の家庭菜園より)

posted by 野々花 at 17:56 | Comment(5) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月22日

頭のザワザワ

幻聴の一種だろうか。
頭の中がザワザワする。
まるで脳細胞の無数の分子が
振動しているかのようだ。
今日もざわめいている。
脳が侵食されるような不思議な体験。
粒子が、無数の粒子が振動している。
頭を抱えても、おさまらない。
いったい頭の中で何が起こっているのか。
何も見えない、わからない。
未知なる脳。
大いなる宇宙。
どうか鎮まりたまえ―

posted by 野々花 at 14:18 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月21日

庭造りの途中で

ここで人生を新しく始めようと思った。
白紙の大地に少しずつ絵を描く。 
設計図などないけれど
そんな描きかけのキャンバスも悪くない。

作りかけの庭

posted by 野々花 at 17:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月20日

園芸2

午前中から庭に出る。
照りつける太陽にめまいを覚える。
ラベンダーとあさぎり草の定植だ。
硬い石ころだらけの土をスコップで掘り起こす。
すぐ下は粘土質。幸い風はない。
慣れない太陽の下、何度もよろめきながら
四箇所を無事植えつけた。
水をたっぷりと注いでやる。
地にしっかりと根を張るように。
畑にも水を遣る。
大根やニンジンが次々と芽を出している。
そうしていつまでも庭にいる。午後もだ。

一番居心地の良い場所。
いつの間にか自分の居場所をみつけていた。
暗く長い北海道の冬を潜り抜けた先に
春が待っていた。
思考も苦悶も太陽の下では意味をなさない。
苦しい抑うつも頭の中のざわめきも
土と太陽を前にしては猛威を振るわず。

一時かもしれない。
この力強い自然の力を
我に貸しておいてはくれないか。

posted by 野々花 at 17:38 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月19日

園芸

皮膚が熱い。
晴天の午後、土と戯れる。
4時間は経過しただろうか。
太陽が私の皮膚を焼く。
心地よい疲れとともにベッドに身を投げる。
ドスンと沈み込むように体が重い。
なんという充足。
なんという自然。
言葉など何一つ要らない。
ただ黙々と土のにおいをかぐ。

そして孤独という素晴らしい人間の在り方に気がつく。

脳と体が健康になる。
人はいずれ土に戻るように
大地とは本当に身近なものなのだ。
なんという充足。
なんという自然。
無機質なパソコンを離れて
君も一度、土を耕してみないか。

posted by 野々花 at 19:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月18日

どうやって時間を消化するか

陰性症状との付き合いは長い時間との我慢比べ。
何もできないといいながら、できることはする。

三度の食事作り、洗濯、掃除。ネットスーパー。
ただこれらは数時間もあればすぐに済む。
体調により、数時間の昼寝をする。
そして晴れた日は黙々と庭の草むしりや水遣りをする。

そしてブログを書くこと。
忍耐の苦渋が私を書くことへ向かわせる。
苦悶が創作の原動力になっている。
詩的文体の確立という小さな一つの目標に向かって
毎日「作品」を作り上げてゆくことには達成感がある。
それでも時間をもてあましてしまう。
夫の帰りを待つ夕暮れ時が一番長い。
何をしてやり過ごすのか。
まだ答えは出ていない。
毎日、夫の在宅する週末を待ち望み
ただ首を長くしているだけだ。

時間だけが過ぎてゆく。 
いつかこの忍耐の時間が活きるように。
無駄でなかったといえるよう、
自分で有意な経験に変えられるように。
いつかきっとこの時間が財産になる。
それを信じている。

posted by 野々花 at 20:17 | Comment(3) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月17日

陰性症状の行く末

どこまでも続く線路のように
時だけが流れ、終着駅は見えない。
時間を耐え忍んだ先に何が見える?
治るという希望が持てるなら得意の忍耐をもしよう。
医師は決して言わない。
「治りますよ」
決して言わない。決して。

どこに出口があるのかなんて
希望はどこにあるのなんて
誰に聞けばいいの。
誰が答えられるというの。

ただ寄り添うように
二本の線路が走るように
どこまでもともに歩く夫のそばにあっても
未来は見えない。
将来はたぶん存在しない。
あるのはただ
逃れようもない今。
ただ在るという苦渋の私。

posted by 野々花 at 18:35 | Comment(6) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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夢を見た

世界を見たくて
9月の連休に海外へ行こうと話した。
目的地は台湾。
飛行機に乗って南国の地に降りるのだ。
ネットで格安ツアーを探す。
わくわくした。
でもそれは夢物語。
現実はまだ街中を歩くことさえできない。
やっぱり無理だね―
世界へ飛び立ちたいけれど
病気がある限り無理だね― 
でも夢を見るのはタダだから。

希望は足元にみつけなければいけない。
わかっているよ。
わかっているさ。
でも、いったい
どこに希望があるのだろう?

posted by 野々花 at 11:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月16日

飛びたい

庭と畑。
近所の小さな生協。
近所の小さな郵便局。
私が自力で行ける場所のすべて。
閑静な住宅街を出るすべての場所は
私が自力で行けない場所。

それでも生活はできる。
庭を眺めて日々が流れてもそれでいい。
けれど
家族の居る休日は足を引っ張ってしまう。
夫の行きたいところへ私はついて行けない。
夫は私をおいて出歩くのを躊躇する。
車を出して、私の行ける所に連れ出してくれる。
申し訳ない気持ち。
二人の時間が制約を受ける。
週末という限られた貴重な時間が
私のせいでこの先もずっと・・・

飛びたい。
あなたの行きたいところへついていけるように
もっといろんな場所で時間を共有できるように。
飛びたい―

posted by 野々花 at 12:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2009年05月15日

一日

今日は何をしていたの。
そんな些細な質問が辛いことがある。
何にもできなかったよ―
そういえずに
家事が忙しかったとか適当なことをいう。
本当は何もできなかったよ―
あなたの働いている間
私、ただ時間をやり過ごして耐えていたよ。
ごめんね。
なんにもしていなかったよ。
働きもせず、ただ存在しているだけ。
頭が言うことを聞いてくれないの。
ごめんね。

posted by 野々花 at 08:16 | Comment(4) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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